マーメイドの恋[完結]

何があったのかわからないが、夏子を苦しめていることに違いない男と、もう話などさせたくはなかったが、その男とキチンと別れていないのなら、話をするしかないのだろうと思った。


夏子がまた、その男に騙されるのではないかという心配はあったが、倉沢には口出しできる立場にない。
何かあったら連絡して欲しいと伝えて夏子と別れた。


その男と別れて、自分に連絡してくれることを期待した。


次の朝も、倉沢は南木海岸へ行った。
夏子はいなかった。


ーあれからどうしたのだろうー


倉沢は、6階の夏子の部屋を見上げた。
そのとき、6階の窓が開いて夏子の顔が見えた。


倉沢は手を振った。
夏子は驚いたような顔をして、駄目だというように、腕でバツの形を作った。


ー別れなかったんだな。そして部屋には男がいるー


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