マーメイドの恋[完結]

哀しかったし辛かった。
倉沢にとって、はじめて好きになった人が夏子だった。
会って話をして、ますます夏子を好きだと感じた。


一目惚れから始まった恋が、こんなにも切なく苦しくなる程好きになれるものなのか。
何故、自分は夏子のことが好きなのか。
自分の気持ちが、自分のものではないような不思議な感覚。


何もかもがはじめての気持ちだった。
こんな気持ちのまま、自分は大阪に行かなくてはならないのか。
倉沢は夏子を諦めたくはなかった。
自分なら、夏子を絶対に悲しませたりはしないのにと思った。


昨日、夏子を後ろから抱きしめた感触、夏子が抱きついてきた感触を、何度も思い出して胸が痛くなった。
夏子を抱きたい。
好きな人を抱くというのは、どんな感じなのだろうか。


想像ばかりして、昨夜は眠れなかった。
そして、倉沢は想像の中で何度も夏子を抱いた。


好きで好きでたまらない。
プロボクサーという、自分の夢を実現させたら、今の彼氏から夏子を奪いたいと考えていた。


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