マーメイドの恋[完結]
夏子は、別にしたいとも、したくないとも思ってはいなかったので、少し返事に困ったが、つまりそれは、そうすることが自然だと感じているということなのだと思った。
「自然と抱き合ってる感じがするわ。マサに抱かれるのは私も幸せよ」
それに、する度にふたりの動きもぎこちなさが取れ、しっくりくるという表現がぴったりの感じになっていくのがわかった。
「ほんとに俺は夏子のことが好きなんよ。だから抱きたい。夏子の中にず〜っと入っていたいくらいに」
マサの愛情は、言葉で伝えてもらわなくても、よくわかっていた。
マサの表情や息づかいや動作、それにマサそのものに表れていた。
だが、言葉にしてもらえると、なお一層マサの気持ちが伝わり、夏子の奥にまでも伝わってきた。
「マサ、強く抱いて。それが嬉しいの。私もマサをずっと感じていたい」