Sun time
そう言ったのは
黒くてさらさらの髪。
男の人とは思えないツヤのある肌。
真子と同じ色の灰色がかった黒目。
スッと高い鼻。
身長は170センチ以上あると思われる。
薄い桜色の唇。
真子ちゃんとは似ているようで似ていない。
彼も顔のパーツが計算されたかのような位置にある。
真子と彼が並ぶとまるでドールショップにでも来たかのようだ。
あまりにも二人が美しくて教室に合わない。
平凡な教室に無理矢理二人を合成させたようだった。
「私たち二卵性だから似てないでしょ?」
照れ臭そうに頬を掻きながら私に問う真子。
「でも少し似てるよ?目とか!」
「そ、そうかなぁ…」
頬を淡い桃色に染め顔を両手で抑え、
ニコリと微笑んだ。
「真子友達できたの?」
「う、うん‼︎」
「あっ始めまして。相楽美琴です」
私は真子のお兄さんにペコっと一礼した。
さっきからおかしい。
ジワ何かが染み出してくる感覚。
胸の奥になにかがグサリと刺さるような感覚。
"ざまぁみろ"
何かが私の中に入ってくる。
「よろしくね。相楽さん。俺は蓮って言います。」
丁寧に私に一礼をしてくれた。
顔をあげるとニコッと笑った。
ニコッと笑った彼の顔が懐かしい。
"日向…"
胸の奥深くに響く誰かの名前。