今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「うん、航太兄ちゃんに会いたかったから」

 俺にね。

「歩夢、久しぶりだな。元気だったか?」

 とりあえず、当たり障りのないあいさつをする。

「うん、元気だよ。航太兄ちゃんは、忙しそうだね」

 邪気のない声で含みのある言い方。
 そんな風にしか、俺には聞こえない。

「ああ、全国大会も近いしね」

「そっか、頑張ってね」


 女の子のような顏でニコッとする歩夢。


 見た目は天使の笑顔なんだけどな、腹の中は、何を考えているやら。

 

< 141 / 566 >

この作品をシェア

pagetop