今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 ヤツらが完全にいなくなったことを確かめて向き直ると、陽菜は、後ろを振り返るようにして見ていた。
 茫然としたような表情。

「ごめんな、あいつら、図々しくて、びっくりしただろ?」

 俺の言葉にやっと気づいて俺を見た陽菜。

「少し……」

 苦笑い。

「あーあ。せっかくの弁当、とられちゃったな」

 中を見ると2か所が空っぽ。


「お友達、わたしが作ったって思ったみたいだけど。あとで言っといてね。わたしが作ったんじゃないって」

「どうして? 別にいいじゃん。勝手に誤解したヤツらが悪いんだし」

 さっき、口を開きかけたのは訂正するつもりだったのか。

「よくないよ。わたしは歩夢みたいにこんな風には作れないんだから」

「何言ってんの。陽菜が料理上手なことは知ってるよ。そんな謙遜しなくても」



 俺からすれば、いちいち訂正を入れることの方がめんどくさい。


 あいつらがまともに聞いてくれるとも思えないし。



 誤解は誤解のままで。
 それでも、ちっとも構わないんだけど。

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