今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「ちょっと、違う。航太とはそんなんじゃなくて」

 こうた?

 知ってる名前だけど。
 まさかね。

「いいから、照れなくても」

「そうだぞー。照れるな。照れるな」

 
 みんなにもみくちゃにされながら、

「もう。違うっていってるのに」

 彼女はその言葉を否定していた。

 
 公認の仲らしいなら、素直に認めればいいのに。
 往生際の悪い女。

 これも惚気のうちか?




 バカらしい。

 
 彼氏持ちの女に手を出すほど不自由はしていない。

 修羅場もまっぴらだし。



 もうすぐ休憩も終わる。

 グラウンドに戻ろうと思った時に、体育館のドアが勢いよく開いた。


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