今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 人混みの中、陽菜の姿が見えた。


 陽菜。

 きょろきょろと辺りを見回しながら、観客席の中に入ってきたところが瞳に映る。

 僕を探してくれている。
 そう思うと何だか胸がジーンと熱くなっちゃうよ。

 せいっぱい手を振ってアピールすると、僕に気付いた陽菜のパッと晴れやかな笑顔に変わる。

 駆け寄ってきてくれたのは嬉しいけれど、急ぎ過ぎて転んじゃったりしたら……
 若干の心配と共に陽菜の到着を待った。


「歩夢、今日も来てくれたの?」

「もちろん」

 僕は座っていた席を1つずらして、陽菜に座るように促すと、ありがとうって言いながら腰を下ろした。


「団体戦、優勝おめでとう」

「ありがとう」

 陽菜は満面の笑みで答えてくれた。
 ホント、嬉しそう。


「夏春連覇だもんね」


 第1シードの面目躍如。

 今回はいろいろあった上に準決勝も決勝も苦戦。
 3-2で接戦の末の薄氷の優勝だったから喜びもひとしおかも。

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