今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「うん。これで1つ目標はクリアしたから、一安心」

「頑張ったね」

 満足そうに笑みを浮かべて僕を見つめる陽菜。


 うん、いい笑顔。

 僕の心も幸福に満たされる。



 試合はずっと見ていたけれど、こんな風に言葉を交わしたのは今日が初めて。

 メールではおめでとうって伝えていたけれど、直に祝福の言葉が言いたくて足を運んだ。
 陽菜の試合は今日ないことは知っていたけどね。


 明日はシングルスの試合。

 話をする暇なんてないだろうから、やっぱり今日来てよかったなって思った。

 下の試合会場では、着々と試合が進んでいる。


「あれ? これ」

 何気なく手元に目をやると、トレーニングウエアの袖口から覗いた、キラッと光る見覚えのあるブレスレット。

 陽菜がちょこっと袖口をまくって見せてくれた。


 金の小さな鎖に陽菜のラッキーストーンをはめ込んだもの。



 雑貨屋で偶然見つけて買ったものだった。

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