今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「ありがとう。わたしとしては満足してるかな。準決勝では負けちゃって勝利に貢献できなかったことと陽菜に黒星つけちゃったことが悔しいけどね。その分、決勝戦は頑張ったよ」

 少し苦い顔をしながらも、やり遂げた感満載で清々しい表情になった。

「初めてのダブルスであそこまでやれたら上出来だと思いますけど? なにしろぶっつけ本番でしょ?」

「まあね。部内でだいぶ鍛えてもらったから、少しはやれるかなって思ってはいたけど、練習と本番じゃ全然違うよね。初戦はガチガチに緊張してたから、身体が動かなくて陽菜にだいぶ助けてもらっちゃった」


 確かに緊張してたよね。


 陽菜が要所、要所をフォローしていたのもわかった。
 こういうところが全国優勝を経験してる強みなんだろうなって、思うことが多々あったから。

 でも。


「萌絵さんもよかったですよ。徐々に動きがよくなってきましたもん。陽菜のペアが萌絵さんでよかったなって、試合を見てずっと思ってましたから」


 萌絵さんは驚いたように大きく目を見開いていたかと思うと、見る見るうちに頬が緩んだ。

 
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