愛おしいって気持ち【短編】





それから16年後。



「「行ってきます!!」」







「あ、空!輝!行ってらっしゃい!車には気をつけるのよ!!」





東京にある一つの一軒家から、出て行く顔のよく似た男の子たち。






「おれも、行ってくるよ。」







「絢人っ、行ってらっしゃい!」






玄関先でキスを交わす2人の家の中には幸せそうな家族の写る写真。


そして、父親らしき人と母親らしき人の薬指には銀色の指輪がキラキラと輝いている。



幸せそうな平凡な家族。




幸せの象徴と言うべきその家からは赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。





「あっ、起きちゃったか。はいはい、咲(えみ)ちゃん~、今行きますよ~!」






かなり年の離れた兄弟。


両親の仲の良さがうかがえるワンシーンだった





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