愛おしいって気持ち【短編】




「じゃあ、おやすみ。」





なんもなしかーい!!
なんだ。
ちょっと残念…って、欲求不満かーーーー!!





「おっ、おやすみー!」






すぐに寝息が聞こえてくる。


……………かと思ったんだけど、なかなか眠らない絢人。






「絢人…起きてる?」







「あぁ。どうした?」







「んー、なんもないんだけど…」





なら言うなって感じなんだけど。






「明日花。なんか最近お前かわいすぎる気がするんだけど。」





ばっと振り向いて抱きしめられる。





「えっ、あ、絢人!?」







「好き。大好き。なぁ、明日花。」






真剣な表情になる彼。

かっこいい……って違うだろー!





「ん?どうしたの??」







「………みっ、味噌汁…。」






味噌汁!?

 



「味噌汁がどうかした?」







「毎日作ってほしいんだ。」







「え?いいけ「やっぱこんなん伝わらないな。」






味噌汁作ってほしいんでしょ??
十分伝わったけど…






「結婚…しよう。」




  


「だから、いいよって!…え???はい??今なんて??」






「結婚しよう。この部屋に住もう。」 






「うそっ、本当!?」





涙ばっかり出てきちゃって格好悪い、私。


でもいいかな?






「あぁ。俺と結婚してください。」






絢人の手の中には銀色に光る指輪。





「はいっ。」






なんかシチュエーション変??


いいの。絢人が私のためにしてくれたんだから


そのあと私たちは自然と一つになりました。
なんて、恥ずかしいなぁっ


















あとで聞いた話によると
藤野さんが味噌汁のプロポーズの助言をしたとか。
でもいざ告白しようと思うと緊張して延ばし延ばしになってあのタイミング。



全然プロポーズなんて予想してなかった私だけど、すごく嬉しかった。



しかもあの日は。
私たちがつき合った日だった。


忘れるなんて最低だと思ったけど、もう絶対一生忘れないだろうなと思った。





< 17 / 19 >

この作品をシェア

pagetop