きみは金色
少しだけあいた窓から、運動部の掛け声が聞こえる。
笑い声。自転車のベルの音。
放課後だからこそ生まれる、たくさんの音。
そこからここまでの距離は、何メートルくらいなんだろう。
地面からは高い位置にある、2階。
ほんのりとした明るさしか残らない、影になったこの部屋は、まるで世界から隠された場所みたいだと思った。
古い書物の匂いと、タバコの匂い。
学校らしくないこの空気が、これからの将来、なんて堅苦しく思える話でも、引き出しやすくしているのかもしれない。
「……イワコウって、ザセツとか、したことある?」
気がついたら、そんなことを口にしていた。
「……は?なんだいきなり」
「……おれ、親に中学受験させられたんスよねー。で、失敗して」