きみは金色
三ヶ月のあいだ。
おれに声をかけられることに関しては、だいぶ慣れたらしいけど。
真子はまだ、おれの友達に対しては少し苦手意識があるみたいだ。
…まあ、そうだよな。
おれの周りは、やけにカラフルで。ごちゃ混ぜで、ぶっ飛んでる蛍光色で。
それに引きかえ真子の周りは、モノトーンで整理されていて。
ごちゃごちゃしない、きれいな世界なんだ。
自分の席からぼうっと、真子の後ろ姿を見て思った。
…ほんと、黒いよなぁ。髪。
ゴムの色も、相変わらず真っ黒。せっかくかわいいんだから、もっと飾ったっていいのに。
そんな風に考えていた時だった。
真子がチラッとだけこっちを振り返って、バッチリ、目が合ってしまって。
「……っ!!」
照れたように、真子の顔に少し浮かんだ笑み。
顔はすぐに元の位置に戻ってしまったけど、もう、十分。十分嬉しい。
少し前までは、一方通行だった視線。
振り返ってくれることなんてなかった。