きみは金色

好きな子をものすごく大切にしてるレオ、ものすっごく、かっこいいよ。



ねえ、でも、レオ。



…レオ。




「金色の方が、好きだった」

「………」

「あたし、金色が、好きだったのに」





あたし、好きだったよ。





…ずっとレオが、好きだったのに。





「……うん」

「………かっこわるい…っ、」

「うん……ごめんな」





ねえ、悔しい。


めちゃくちゃ悔しい。



悔しくて、めちゃくちゃうらやましい。



レオをこんなにかっこいい男にした、あの子がうらやましい。




代われるなら代わりたい。




…細胞ぜんぶ入れ替えて、レオが好きな、あの子になりたい。




「レオなんてきらい……、」

「……うん」

「だいっきらい………っ、」





2人ぼっちの教室に、不自然なほど明るい日差しが差し込んでいる。



まだ、元気な夏の日差し。でもそれは、秋が来る前に。



夏が最後の力を振り絞っている光景に、見えないこともなかった。




< 290 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop