きみは金色



「………っ、」




…なんか。なんかさぁ。



それってすっげー、勇気いること、だろ。真子にとって。



こんなに、大勢の前で。



目立つのは苦手なくせに。人前に立つのは、避けてきたくせに。



ずっと目立たないようにってしてきたのを、自分からこわして。



髪を染めて。3年間、ずっと守ってきた校則を、やぶって。




それでも。本気を、見せるために。




はなれても大丈夫だって。




自信のないおれに、信じさせるために。





「…っ、ばかじゃねーの、真子」




声がにじむ。ガターン!!と、自分の足元で、イスが倒れる音がした。




立ち上がっていた。



足が出ていた。



ほとんど走っていた。



教卓に近づく。



真子の丸い目。おどろいた顔。



真子の手を取る。手を引く。




軽い重さ。


真子の重さ。




これがよかった。これじゃなきゃ、いやだ。




…いやなんだ。



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