きみは金色




気分が落ちてるときって、最上級にうまいモンでも、全然美味しいと思えない。


屋上での昼食で、おれは身をもってそれを実感していた。



「ほんっっと申し訳ないっ!!!」



気まずいことになってしまったおわびにと、裕也がダッシュで買いに行った、おごりの焼きそばパン。


麺がモチモチ。パン部分はフワッフワ。毎度売り切れ必須の、購買イチオシメニューだ。


なのに、食感とか以前にものすごく味気なく感じてしまって。


喉にはりつくそれを流し込むためのコーヒー牛乳も、まるで色をつけただけの水みたいだった。


もちろん気分は、水やりを忘れられた花みたいに、ダラリと垂れ下がったままだ。



…なんかもう、またしばらく市ノ瀬と話すことってないんだろうな。



そんな風に考えていたのに、廊下を歩いて3組に戻ってきたとき。


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