きみは金色

思わず、笑いがこみ上げた。


…文化系の行事なのに、完全に体育会系のノリじゃねーか。


本当にしょーもないヤツらだってよく思うけど、でもこういうとこは好きだなって思う。


前のクラスが終わったらしく、パラパラとまばらな拍手の音が聞こえてきた。



「3組、入場してー!!」



先生から、舞台に上がるように指示される。


騒いだせいで乱れてしまった列を、ちゃんと作り直して。


2列になって、右の列からゾロゾロと体育館の中に入っていく。



みんな、珍しくしゃべらなかった。


口を結んで、真剣な顔で進んでいった。



おれの位置は、3段目。用意された銀色のひな壇の上に足を乗せると、簡易なものだからだろう。


ほんの少し、足場がしなる。


全員が歩みを止めて、定位置に収まったとき。


まぶしいライトが、一斉についた。


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