きみは金色


…本当に金にして、大丈夫だよな。



アタマを染める時ですら、そうやって少しは考えた。



サボる時でも、バックれる時でも。


まあ大丈夫だし、いっかって。そういう考えに行き着いてから、行動していたんだ。だから。



こんなに。こんなにも。



自分でも理解しないうちに、衝動的に動いていたことは、はじめてだった。



走った。思うままに、足を動かした。


市ノ瀬の手を引いたまま。走って。


気がついたら、体育館はずっと後ろにあって。


校舎を通り越して、食堂の裏にまで来てしまっていて。


足が、絡まりそうになる。


ゆっくりと、スピードをゆるめる。



「…はっ……」



息が、切れる。


止まった時に、自分が何をしているのかという実感が追いついてきて。


ものすごい勢いで、恥ずかしさがこみ上げた。


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