久しぶりだね初対面
だが、鮮明にまで記憶に残る情景、数々の経験、そして何よりはっきりと覚えている、キスの感触。

それらが、あれを夢と片付けるには抵抗を覚えさせた。

あれは、現実の時間旅行だった。

少なくとも、俺の中ではそう思いたい。

…さっきまで眠っていたはずなのに、疲れ果てているこの体も、何よりの証拠だ。

俺はもう一度目を閉じ、深い深い眠りにつく事にした。

今度目が覚めた時には、トイレの個室ではない事を祈りつつ。



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