ライギョ
それから少ししてどうやら待ち合わせてた人物が来たらしく千晶さんに何やら話した後、そいつはカウンターから出てきた。


へぇ…


待ち合わせの相手って女かよ。


俺は極力自然にアイスコーヒーに口をつけながらなんとなく彼女に視線を送る。


そのまま、行けばいいのに俺の後ろを通る時に奴は余計な事を囁いていった。


「俺の彼女も歳上なんですよ。だからーーー」


「っ、」


「それじゃ、お先です。」と涼しげな顔してその歳上の彼女とやらの腰に手を回し帰っていった。


なんなんだあいつの余裕は。


何が俺の彼女も、だよ。


どうせ、俺はーーー


くそぉ…








「なんだか仲良さげだったじゃない?確か同い年とかじゃないかな。ねぇ、もう閉めるから一杯付き合ってよ。」








そう言うと千晶さんは表に掛かっている札をCLOSEへとひっくり返しに行った。


「キミは?いつもの?」


「えっと…ああ、はい。じゃ、一杯貰います。」


実はまだ家に帰ってからも仕事あるんだよな。


でもここで断ってしまうには惜しい。


ましてや、さっきのバイト野朗が変なこと言うから。


ーーー相談に乗りますよ


何が相談だよ。


誰が相談するかっ。


















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