ライギョ
部屋に入ると俺は直ぐにスーツを脱ぎ部屋着に着替える。


そして、小さなテーブルの上に昨夜から投げっぱにしたままの封筒を手に取る。


「行くわけねぇだろ……」


俺はついこの前、実家から届いた荷物の中に一緒に入っていた同窓会の案内を真っ二つに破くとクシャッと丸めてテレビの脇にあるゴミ箱へ投げた。


が、少し逸れて上手く入らずフローリングに転がった。転がったそれを見ていると一瞬で記憶が蘇る。


「よく、山中にバカにされたっけ……」


中学の時、教室の後ろにあったゴミ箱に紙くずを投げて入れようとしても俺は、いつも一度目は必ず外していた。


ーーーお前、下手くそやなぁ、ほらこうやって投げるんや


得意げな山中の顔が浮かぶ。


俺は立ち上がると外れて落ちた紙くずをゴミ箱へと入れた。












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