ライギョ

ヲタク

「いやぁ、残業戦士 社員ナンバー4番 庶務ニチカちゃんにこんな所で会えるなんてな。」


「竹脇、もういい加減にしろよ。千晶さんが困ってる。」


「いいのよ。寧ろ、大した活動も出来ずに辞めちゃったのに知ってくれてた人がいて、嬉しいわ。」


千晶さん、無理しているに違いない。


それにしてもーーーー


千晶さんがその昔、ヲタ系アイドルだったなんて。


急に竹脇に呼び出された俺は竹脇の住むマンションへとやって来た。


例の中学生と会う為に必要なアイテムを受け取るためだ。


今夜、泊まるところが決まってない千晶さんを残していくのも悪いと思って


つい、「一緒に行きますか？」なんて言ったら千晶さんは快く付いてきてくれた。


「竹脇、それよりも例のアイテム早く寄越せよ。」


「お前、いつからそんなせっかちになったんや？昔はのんびりしてちょっと抜けてる所が可愛かったのにな。待ってて、奥の部屋から持ってくる。」


そう言いながら、例のラビリんちゃんが鎮座するリビングを後にして竹脇は奥の部屋へと向かった。


「フフッ。」


千晶さんが急に笑ったのでどうかした？って聞いたら


「いつもうちのお店に来てる時と違って、君の表情がくるくると変わるから面白くて。」


「えっ…、いや、そんな事はーーー」


と言いつつ、リラでも千晶さんを前に俺はいつだって動揺しまくってますよ、あなたのその美しさに。


と、心の中で呟く。


「待たせたな。ん、戻るタイミング間違えたか？」


竹脇が俺と千晶さんの顔を交互に見てニヤついた顔で言う。


「いいから、早く説明しろよ。」


竹脇の手元には何やら分厚い書類の様な物があった。


「先ずはこれにざっと目を通しといてくれよ。」


ポンッと目の前のテーブルに置かれたその書類を手に持ちざっとページを捲る。


俺は絶句した。