スキと言えるまで。





重苦しい雰囲気が部屋を漂う中、看護師さんが部屋に入ってきた。





「丘山さんが、今日は皆さん帰ってだそうです。」





「…若葉、落ち着いたんですか?」





「明日の話し合いがメインなんだから、ちゃんと仕事してきて。
今日は巻き込んでごめんなさい。
私のことは気にしないで、文化祭のことをやって、って伝言を…。」





こんな時まで自分じゃなくて人のことかよ。
巻き込んでゴメンじゃない。
気づかないで謝るのは俺たちなのに。





「皆、難しいとは思いますが若葉の言うとおりです。
明日は生徒会として話し合いましょう。」





「そうだな、若葉の願いなら…。
皆、一旦帰ろう。」





佑樹がそう言って離れがたいみんなを連れて行く。
愛果も会長として、俺たちも生徒会としてやるべきことをやる。
そうしないと、若葉はまた自分を責めそうだから。






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