スキと言えるまで。

「改めて俺からも謝らせてくれ。
弟のしたこと、父や兄のしたこと…。
君には謝っても謝りきれないことを我が家はしてきた。」





「もういいんです。
私は確かに颯が恐怖だったし、お父様方も嫌悪の対象でした。
お父様達はこれから先も変わらないかもしれませんが、颯は沢山のいい思い出もあるんです。」





いつかお父様方のことも許せる日が来るといいけど。





「けど、あなたは琉那が選んだ人だもの。
私に悪いと思うなら、せめてあなただけでも颯を弟として接してあげて。」





そして琉那に向かって語りかける。





「琉那、あなたも分かるよね。
先生だって隠したくて隠してたわけじゃないし、先生を責めないで。
今回のことで喧嘩とかしないでね。」





樹の幸せを思うなら、破談になったほうが都合はいいけど。
そういう手に入れ方は、樹も望んではいないしね。