スキと言えるまで。





…今なら分かる。
爽一は俺たちを、支えてくれていたのかと。
わかりにくい優しさなんだよあいつのは!





悪役になったり、俺のフォローしてくれたり、若葉を支えてくれたり。
あいつがいなかったら、俺は若葉への気持ちを理解していなかった。
また、若葉を傷つけていた。





守るとか意気込んでいたのに、最低だな俺。





「…多分、背中押してくれたんだよな。」





俺は決めた。
若葉に好きだって伝える。





口に放り込んだチョコレートは、見た目は崩れてたけど、ほろ苦くて。
まるで今の俺たちみたいだな、なんて思う。
しばらく冷たい北風でもあびていよう。





そしたらきっと甘くなる。






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