さよならのはなびら
トラワレタココロ

昇降口では、新入生の案内をしてくれる先輩たちが、数人待っていた。新入生に一人ずつついて、案内してもらえるらしかった。
私のところには、男子の先輩が来た。
その人こそ、後に私の心を奪って離さない人だ。
「入学おめでとう!!」
そう言った笑顔に目を奪われる。
すごく口を大きく開けて笑うんだな。
少しぼんやりしていると、先輩が私の胸元に桜の造花を付けてくれた。
「何組だった?」
「えっと…、2組です」
「じゃあ、行こっか」
先輩が私の先を歩き始める。その後ろを、ついていく。 私より明らかに背が高く、足も長いのに、歩幅を合わせてゆっくり歩いてくれる。
私の中学校は、学年ごとにカラーがあるので、その色から一つ上の2年生だとわかる。
制服の胸ポケットに名札があるはずだけど、後ろをついているので、見ることが出来ない。
あっという間に1年2組の教室についてしまう。
「ついたよ」
と、声をかけられる。
隙をみて、名前を確認しようとしたが、見えずに終わる。
「では、入学式まで教室で待っていて下さい。」
そう言うと、先輩は背中を向けて戻ってしまう。
結局知れなかった名前は、学校生活で追いかけ続けて、知ることになった。
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