代償 2nd mean
「………は?」
………だから………。

ぎゅっと目をつむって、耐えてる。
………だから。
慶佑は。
───喧嘩の仕方も忘れているから。
反撃も出来ない。
されるがまま。

「………慶佑から、手を離して」
「………何て顔するんだ、城時」
「───」
「離して」

驚愕の表情。
まだ、慣れない。
何度も見たのに。
慶佑に関しての───その顔。

「───離して」
「───上時」
「………」
そこにいる慶佑はね。
上時じゃないの。
城時じゃないの。
総長じゃないの。

「………演技じゃないのかよ」
「慶佑は、そんな事しない」
「何だってんだ───」
「上時でも城時でもない、暴走族でもないの」
「………」
「………これが。今の慶佑だから」

困った顔して。
慶佑は他人を恐れる。
すっ飛んだ記憶が。

どれだけ大事なのか、痛感する。
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