代償 2nd mean
………。
東さんは座った。
紅茶を啜る。
慶佑もゆるゆると座った。
「───慶佑さん」
「───」
「………何で、こんな事になったんですか」
「───」
「慶佑さんらしくない───」
「───らしくない?」


「前の慶佑さんを知ってるから言うんだ。慶佑さんらしくない」
知らない。
そんな顔して慶佑は黙ってる。
「前の?前とは?」
しっかり聞き返す。
おいおい───。
知りたいなら、聞くのか。
慶佑らしい。
───慶佑らしいとこ、あったじゃない。
「───知りたいなら知る、か」
「………」
「全く、怖い人だよ。慶佑さんは」

本当なのかな。
疑うよ。

諦め口調。
うん。
さっさと諦めたほうがいいよ。
私も諦めかけてるし。
本人は、どうか分からないけど。
< 18 / 80 >

この作品をシェア

pagetop