代償 2nd mean

控え室。

「え………?」
慶佑の手が、顔の横に突く。
………何で?
何で、押し倒されているの?
何で、こんな事するの?

あ、はい。
酔っているからね。
もー、酔ったからって、女の子にこんな事しちゃダメですよー。
………何て。

待ってよ。
慶佑。
え?
待ってよ、頭、大丈夫?
私は───混乱。
慶佑は───?
背中に感じる床の感触。
………慶佑、一体。
「………慶、佑?」
「───」
黙って上から見下ろして。
黙ってないで、何か言ってよ。
「………」
「───」
絶賛、無言状態キープ。

ああ、もう。
何か混乱し過ぎて頭、変なほうに暴走してる!
待ってよ?
今、ここで誰かが来たらどうするの?
変に誤解されるよ?
………。
異様な光景に、卒倒するかもよ?
………。
何か言ってよ、何でもいいから。
変なの以外で。

「………ぁ、」
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