桃の花を溺れるほどに愛してる
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 その後、口を完全に閉ざし、まったく抵抗しなくなった榊先輩は、警察の人と一緒にパトカーに乗った。


 私と春人は一緒に救急車に乗り、病院へと運ばれ、治療をした。

 お母さんとお父さんには心配をかけた上、「無事でよかった」と泣かせてしまったのは……見ていて心苦しかったけど。


 春人の赤い車は、警察の人と一緒に来た夏美さんが運転し、家に持って帰っていったらしい。


 聖くんはというと、山道の途中で電波が繋がったので通報したのち、現場に向かう最中だった警察の人に保護されたらしい。


 聖くんを保護する前の道中で、ガタイのいい男性が逮捕されたとも聞いた。

 私が廃病院に誘拐された際、車の運転をしていた男性だそうだ。

 春人に告白される前に、私が道でぶつかった男性だと知った時は、本当にビックリしたっけ。

 世間はせまいというか、なんというか。……うん、なんとも言えない気持ちになったよ。


 ――とにもかくにも、こうしてこの一連の事件は、無事に幕を閉じることが出来たんだ。
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