桃の花を溺れるほどに愛してる
【春人 Side.】
桃花さんの家の帰り際、自分の赤い車に乗り込んだ僕は、桃花さんのかわいさに思わず溜め息を吐いた。
僕のことを思って怒ったり冷たく接してくれる桃花さん、素敵だったなぁ。素直に嬉しかった。
桃花さんがまだ幼い頃に仕掛けた監視カメラや盗聴器を取り外したのは痛かったけど、これも桃花さんのためだから。桃花さんが望んだことだから。
“桃花さんのため。”――そう考えたら、もう痛みなんて消えてなくなってしまった。
けど……。
「また、会いたくなってる」
桃花さんとは先程別れたばかりだというのに、また会いたくなってしまっている自分がいた。
いうなれば、それは、“依存”に近かった。
いてもいられなくなった僕は携帯電話を取り出し、自分の想いを言葉として桃花さんに送った。
我先を忘れ、無我夢中に、ただ、必死に、ありったけの自分の想いをこめて。
ふと我に返った時、すでに20件以上のもののEメールを送ったことに気が付く。
……僕は、どれだけ桃花さんを愛してしまっているんだ……。
――それはもう、言葉に言い表せないくらい。
携帯電話を閉じた僕は、自宅に帰るために車を発進させたのだった。
桃花さんの家の帰り際、自分の赤い車に乗り込んだ僕は、桃花さんのかわいさに思わず溜め息を吐いた。
僕のことを思って怒ったり冷たく接してくれる桃花さん、素敵だったなぁ。素直に嬉しかった。
桃花さんがまだ幼い頃に仕掛けた監視カメラや盗聴器を取り外したのは痛かったけど、これも桃花さんのためだから。桃花さんが望んだことだから。
“桃花さんのため。”――そう考えたら、もう痛みなんて消えてなくなってしまった。
けど……。
「また、会いたくなってる」
桃花さんとは先程別れたばかりだというのに、また会いたくなってしまっている自分がいた。
いうなれば、それは、“依存”に近かった。
いてもいられなくなった僕は携帯電話を取り出し、自分の想いを言葉として桃花さんに送った。
我先を忘れ、無我夢中に、ただ、必死に、ありったけの自分の想いをこめて。
ふと我に返った時、すでに20件以上のもののEメールを送ったことに気が付く。
……僕は、どれだけ桃花さんを愛してしまっているんだ……。
――それはもう、言葉に言い表せないくらい。
携帯電話を閉じた僕は、自宅に帰るために車を発進させたのだった。