赤の鎖


あぁ、懐かしい


私がまだ人であった頃を思い出す


私の幼少期


近所の家の同級生達と、毎日のようにこの公園でサッカーやドッジボールをしていた

瞼を閉じると、今でも鮮明に思い浮かぶ


目の奥が、熱くなった



そろそろ、帰らなければ

そう思い立ったとき、ふとした疑問が脳に生まれる


帰る? 一体どこに?

私に、帰る場所など存在するのだろうか


いや、正確には


私が帰りたい場所など、あるのだろうか


そう思い、フッと目を伏せたとき――....


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