カリス姫の夏







ソーシャルネットワークという巨大な城が、砂煙を上げながらガラガラと崩れていく。


城の中にいたカリス姫はきゃーーと悲鳴を上げながら、なすすべもなく真っ暗に奈落の底に落ちて行った。



どこまでも、

どこまでも………



その城は石でできた頑丈な建築物であると信じていたが、実は積木を重ねただけのもろい建物で、誰かが人差し指でチョイッと押しただけで簡単に崩れてしまうことを、

落ちて行くカリス姫は、初めて思い知らされていた。
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