Doll‥ ~愛を知るとき
昨夜、愛翔を お風呂に入れて着替えさせたのは浩也。
朝、パジャマを脱いだ時、愛翔は肌着を着ていた。
だから、気付かなかった。
背中にある傷を見て衝撃が走った。
原因を思い出し、胸が苦痛を訴えた。
だけど、もう涙は止まっていた。
泣いている場合じゃない、そのことに気付いたんだ。
「あーくん、おいで。」
愛翔を寝室に連れて行き、服を着せた。
あたしも濡れた髪のまま、服に着替えた。
そして、ナイトテーブルの引き出しを開け、十字架のネックレスを取り出した。