Doll‥ ~愛を知るとき
「エナ!あんたが樹先輩のことを好きって、うちは知ってるねん!」
「歌穂‥、ちがっ‥」
「先輩のこと好きやから、玲央に手を貸したんやろ!汚いねんっ!」
あたしが樹を ずっと目で追っていることも、朝練で指導して貰ったことも、歌穂が樹と付き合った夜に非常階段で泣いていたことも全部、歌穂は知っていた。
樹に恋していることを悟られていないと思っていたけど、歌穂は気付いていた。
「でも‥、あたしは玲央の伝言を伝えただけ‥。何も知らないし‥。」
極度の緊張を感じて、声が震えている。
歌穂は、軽蔑したような眼差しで あたしを見据えた。