Doll‥ ~愛を知るとき
歌穂には注意したけど、分かろうとしない。
ちょっぴり困ったように、樹は そう話した。
妬いてるんだ。
あたしに‥。
樹が あたしを庇うから、歌穂は素直になれないんだって思った。
頬を伝う涙を拭いて、鞄を手に取った。
「大丈夫です。歌穂には、もう何も言わないでください。」
あたしは彼に微笑んで、公園をあとにした。
─ 樹先輩は信じてくれてる‥
その時のあたしには、それだけで十分だった。