Doll‥ ~愛を知るとき
 

歌穂には注意したけど、分かろうとしない。

ちょっぴり困ったように、樹は そう話した。


妬いてるんだ。

あたしに‥。

樹が あたしを庇うから、歌穂は素直になれないんだって思った。


頬を伝う涙を拭いて、鞄を手に取った。

「大丈夫です。歌穂には、もう何も言わないでください。」

あたしは彼に微笑んで、公園をあとにした。


─ 樹先輩は信じてくれてる‥


その時のあたしには、それだけで十分だった。


 
< 232 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop