Doll‥ ~愛を知るとき
深夜、ふと目覚めてトイレに行きたくなった。
あたしは、そっとベッドを抜け出し部屋を出た。
女子トイレに入ると史恵(シエ)が立ち尽くしていて、あたしに気付いた彼女は、人差し指を口元に充てた。
不思議に思いながらスリッパを履き、足音を立てないよう史恵に近付いた。
個室から、誰かの声が聞こえる。
苦しそうな呻き声。
「なに‥?」
囁き声で尋ねると、史恵は眉をしかめて
「エナは待ってて。」
と、あたしを残し、忍び足のままトイレを出て行った。