Doll‥ ~愛を知るとき


お店の人達には、付き合い出したことを内緒にしていた。

皆、分かっているみたいだったけど、意識的に仕事中は、あまり話さないようにした。

それでも時々、暇な時間を見ては、浩也は あたしを事務所に呼び出した。

誰もいないことを確認して、唇を重ねる。

ちょっぴりの罪悪感とスリルを、あたしも楽しんでいた。


一人だけ、あたし達のことを良く思わない人がいた。

朝美さんという女の人。

歳は、浩也と同じ21歳。

あたしより三つ上だった。


「岬さん。浩也くんは跡取り息子やから、結婚したら大変やと思うよ。」

「岬さんは知らんと思うけど、浩也くんって、結構ワガママやよ。」

幾度と無く、そんな風に忠告してきた。


 
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