Doll‥ ~愛を知るとき
新婚生活で不満に感じることは、タバコだけだった。
家でも職場でも、浩也は優しく労ってくれた。
職場で料理をしているから家では絶対に作らないって、浩也は言った。
気持ちは理解出来たから、そんなことは気にならなかった。
あたしの未熟な手料理を
「美味い。」
って、食べてくれていたことも嬉しかった。
毎日が順調に過ぎていた。
樹への想いも、再会する前と同じ。
少しずつ過去のものになっていた。