Doll‥ ~愛を知るとき
†13 哀感


お宮参りやお食い初め、行事ごとには必ず浩也の両親が一緒だったし、義母は度々 家にもやって来た。

相変わらず意地悪を言われていたけど、愛翔を可愛がって貰えるんだからと思える余裕も出来ていた。

あたしの20歳の誕生日が過ぎた頃、首が座って目も見えるようになった愛翔は、あやすと笑うようになった。

天使みたい。

寝顔も泣き顔も笑顔も、あたしを癒してくれた。


その頃から、浩也は帰宅時間が遅くなったり、休日に出掛けることが増えていた。

会合だ、付き合いだと言っていたけど、別に気にならなかった。

育児は気が向いた時だけ。

だけど、癇癪を起こして怒鳴り散らすことも無かったし、機嫌良くいてくれるなら、それで良かった。


愛翔がいればいい。

愛翔が幸せでいてくれるなら‥。

そう思っていた。


 
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