Doll‥ ~愛を知るとき


濡れた髪をタオルにくるんだまま、キッチンに立った。

「愛波、風邪ひくだろ。」

ケータイを弄っていた樹が部屋から声を掛ける。

「大丈夫。まだ暑いもん。」

彼を振り返り答えた後、あたしは冷蔵庫を開けた。


挽き肉と微塵切りにした野菜を炒め、オムレツを作った。

オニオンスープにはクルトンを浮かばせ、ツナサラダを用意して‥。


「ねぇ、昨日の煮物、まだ残ってる。食べる?」

「うん。」


小さなダイニングの二人用テーブルを囲んで、あたし達は食事した。

牧場で買ったお揃いのお箸に、くすぐったい気持ちになった。


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