Doll‥ ~愛を知るとき


ギュッと熱くなる胸。

涙が込み上げて来た。


目の前に立った樹の顔を見ることが出来ない。

俯いて、砂に落ちる涙を見ていた。


「愛波ちゃん‥。」


樹の手が、あたしへと伸びた。

きっと、躊躇している。

彼は、その手を下ろした。


「大丈夫?」


優しい声に切なさが増していく。


─ 帰らなきゃ‥


そう思っているのに、足が動かなかった。


 
< 464 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop