Doll‥ ~愛を知るとき


「無理だよ‥。」

涙は止まらないまま、擦れた声で呟いた。


もう、今更、どうにもならない‥

樹に甘えることなんて出来ない‥


「愛波ちゃん、何でも一人で抱え込むなよ。それ、悪い癖だな。」


樹は、クスッと笑った。

瞬間、過去の記憶が甦る。


高校一年生の秋。

公園で泣いているあたしに、彼が言った言葉。


─ 何でも一人で抱え込むなよ。オレで良かったら、いつでも相談に乗るし ─


変わらない樹の優しさに触れて、あたしの涙は零れ続けた。


 
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