Doll‥ ~愛を知るとき
液晶画面をスライドさせて、通話キーを押した。
「樹‥?」
無意識に左の耳に充て、彼からの電話を受ける。
「愛波。起きてた?」
心配そうな樹の声。
「今、起きた‥。」
「そっか。昼飯、ちゃんと食えよ。」
「うん。」
時々ある確認の電話。
あたしが彷徨(ウロツ)いていないか気になるんだ。
「愛波、勝手に出歩くなよ。」
「うん。」
「じゃ、なるべく早く帰るからな。」
そう言って、樹は電話を切った。