Doll‥ ~愛を知るとき

小さくても気晴らしは必要。

まだ三ヶ月の赤ちゃんを長時間連れ歩くのは心配だけど、愛翔も あたしの大切な子だから‥。

「あーくん、着いたよ。」

「うわっ!あれなに?」

車の窓から見える羊達に、愛翔は釘付けになった。

「羊さんだよ。」

「しゅごい!いっぱい!」

駐車場に停めた車を降り、あたしはトランクから折り畳んだベビーカーを取り出した。

「あーくん、危ないから動かないでね。」

活発な愛翔に言葉を掛けながら、後部座席のチャイルドシートで眠る娘をベビーカーに乗せる。

「愛翔、行こう。」

「うん!」

マザーズバッグを肩に提げベビーカーを押しながら、あたしは愛翔と一緒に牧場の入り口に向かった。

< 648 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop