Doll‥ ~愛を知るとき


樹の腕枕が心地いい。

樹の寝息が愛しい。


彼のことを何も知らない。

あたしが見ている樹しか知らない。

自分のことさえ、ハッキリとは分かっていない。

断片的に記憶があるだけ。


でも、それでいい‥

あたしは、樹がすき‥

樹といられるなら、樹に愛されるなら‥

ずっと彼だけのお人形でいたい‥


ふわふわと睡魔がやって来るのを感じた。

樹の胸に頬を寄せて、あたしは眠りに就いた。


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