Doll‥ ~愛を知るとき
午前九時過ぎ。
樹は出掛ける準備を整えて、不動産屋に行くって言った。
少し遠い町まで足を運ぶから、遅くなるかもしれないって‥。
「何かあったら電話して来いよ。オレもするから。」
あたしは頷いて、玄関まで彼を見送った。
「いってらっしゃい。」
小さく手を振るあたし。
その手首を軽く掴んで、樹は唇に チュッてkissをした。
そして
「愛波、今日はベランダにも出なくていい。分かった?」
って、ちょっぴり厳しい目をした。
「ねぇ、お洗濯は?お布団も干さなくていいの?」
「オレが帰って来るまで何もするな。ドアも絶対、開けるなよ。」
「はい。」
あたしの頬を優しく撫でて、彼は玄関を出た。