手に入れたいのはお前だけ。
恋は厄介で面倒なもの
「ちーずみちゃん!!」
「わ……っ!」
茂木くんの宣戦布告を受けたあの日から、茂木くんの猛烈なあたしへのアタックは始まった。
教室にいるとき、たとえ授業中でさえも、四六時中話しかけてくるようになったんだ。
それも何もかも、この前の席替えのせい……。
「やめろ奏太。みんな見てるぞ」
「関係ないよ、俺が好きなのは千澄ちゃんだから」
「…………」
窓側の一番後ろがあたしの席。
その横が深高くんで、前が茂木くん。
席替えでなんともすごいくじ運を発揮したあたし。