お兄ちゃんができました。
アフロ? ねぇ、私の頭をモッジャモジャのアフロにしたいの?

残念だけどね。お母さん。

アフロは頭をかきまわしてても出来ないんだよ。

頭をかきまわして出来るのは鳥の巣だけなんだよ。

それ以上もそれ以下も出来ないんだから離して!!

きっとお母さんを睨むと、呆れた表情で志月くんの方を向く。


「ね?」


ね? って何だよ。

ね? って。

何の同意を求めてるの? 志月くん苦笑しちゃってんじゃん。

一体どんな難関な質問投げかけたんだ。この人は……!!



「……志月くんが困ってる理由は私じゃなくてアンタの所為よ」

「ハル。さっきから心の声漏れてるよ」

「…………、」




な、なんだってえええええ!!

理解するのに数分。私は心の中で絶叫した。

……はずなのに、何故かうるさそうに耳をふさぐ我が母。




「アンタうるさいのよ」

「……え?」

「ハルハル。心の声が漏れてるんだよ」

「嗚呼……」




親切に教えてくれた志月くんの言葉に、私はため息をついた。

私、変だ。普段はこんなにダダ漏れじゃないのに。

どうしたんだろう。

イケメンにあえたことがそんなに嬉しかったんだろうか。

それとも家族が出来たことが嬉しかったんだろうか。

なんかよく分からないけど、とにかくなんか変だ。

何がおかしいのか分からないまま、急にテンションを下げた私に志月くんと今まで事の成り行きを見守っていた誠さんが顔を見合わせたのは、言うまでも無い。









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